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劇場公開作品をご紹介します。
STAFF 世の中の食い詰め者で戸籍をはずれた無宿渡世人は、賭博やそれにからむケチな犯罪で生計を立てる。博徒の親分の家に草蛙を脱ぎ、一宿一飯にありつき、その恩義で命を張った喧嘩もし、わずかな路銀を貰い旅を続ける。旅の途中、たまたま出会った源太、信太、黙太郎は、若い駆け出しの渡世人で、いつかは大親分の盃を貰ってひとかどの男になると夢見ている。ある時、三人は、狡猾な番亀の家にそろって草蛙を脱いだ。源太はそこで妻子を捨てた父親の安吉と再会するが、番亀のシマを横取りしようとしていた安吉の企みが発覚し、番亀に安吉の首を取って来いと命じられる。信太と黙太郎が止めるのも聞かず、源太は父親を斬る。だが、働きの甲斐もなく三人は番亀に追い出され、また旅に出る。源太と好き合ったお汲を連れた旅である。信太が破傷風で死に、お汲との余儀ない別れがやって来る。黙太郎と源太の二人旅となり、黙太郎は大親分・助五郎の家に草蛙を脱ごうと提案する。博徒で十手持ちの助五郎の元では、凶状持ちの源太もお縄を免れられる。だが、気負い立つ心の陰に気後れがあり、草蛙を脱いだ先は助五郎一家の半兵衛の家だった。半兵衛が繁蔵親分に寝返ると噂を聞き、半兵衛の首を取って助五郎の所へ行くと野心にギラつく黙太郎。源太は渡世の義理に背くと反対する。枯れ野の土手の上、半兵衛を襲おうとする黙太郎の前に立ちはだかる源太。二人はなじり合い、刀を合わせる。黙太郎は源太の本気にギョットして逃げる。が、源太は猛然と追い、土手下に転落し頭を石にぶつけて死ぬ。それを知らぬ黙太郎は、源太の姿を捜し、「オーイ」「オーイ」と呼ぶ。 カラー スタンダード 96分
STAFF 1972年にミュンヘンで開催された第20回オリンピック大会の公式記録映画。原題は『Visions of Eight』。日本では、「時よとまれ 君は美しい」というメインタイトルに
「ミュンヘンの17日」という傍題を付けて公開されている。原題名のとおり、各国8人の監督が、題材を自由に選び、競技する選手の肉体の美しさ、あるいは喜怒哀楽の美しさ、あるいは観衆の高揚をとらえる。市川は、陸上100m決勝を選び、競技の短さと正面からのショットに拘った。 カラー ビスタ 111分(合計)
STAFF 中学校の英語教師の苦沙弥は、教師という職業が嫌いであるが、妻があり三人の幼い娘があるので辞められない。安い俸給を貰い、家庭の煩雑な日常に束縛される日々に、鬱々とした倦怠感を感じていて、胃が痛む。美学者の迷亭、理学士の寒月、哲学者の独仙、若い詩人の東風が苦沙弥の家へ度々寄って、人生論、芸術論、文明批評や社会風刺など、非力で実益のないお喋りに興じている。"吾輩"は、猫である。苦沙弥は、猫の非情さが気に入り、熱心に"吾輩"や自分の鼻を潰してイタチと闘うクロや美人猫のミケを観察している。寒月と成金実業家・金田の令嬢・富子の結婚話が持ち上がって、結婚に断固反対する苦沙弥は、高慢ちきな金田の妻・鼻子の執拗ないやがらせを受ける。学校では校長と衝突、細君には辛抱してくれと拝まれて、遂に苦沙弥は"吾輩"を連れて家出をした。姪の雪子の家で一晩を過ごし、苦沙弥は新鮮な心持ちになって帰宅する。見過ごしていた雪子の美しさに初めて気づき、見たつもりが実は何もみていないことの多さを知ったのである。苦沙弥の家出を聞いた迷亭らは苦沙弥の家に集い、夫婦の別れについて論じる。"吾輩"ば、彼等の無能無益なお喋りは今どき上等貴重なものと観察する。寒月は、親が決めた丈夫な女と結婚し、富子は苦沙弥の元書生でビジネスマンの三平が貰うことになった。その晩、"吾輩"は人間が残したビールを舐めてみた。フワフワとし、水を飲もうと水瓶に飛び乗ったら、落ちて水死した。猫嫌いの細君が水瓶から"吾輩"を引き上げ、うっすら泣いた。苦沙弥は、"吾輩"をモデルにした小説を書き始めている。 カラー 1:1.5ワイド 116分
STAFF 京都の老舗紙店の長女で未亡人の安澄は、東京に店を持つ着物デザイナーであり、末っ子の輝子を養女にしている。安澄は、年下のTVディレクター・研一と愛し合っていた。輝子が研一に想いを寄せるのを知っているが、安澄は、自分たちの関係を打ち明けることができない。実家を継ぐ次女の優子は、浮気の絶えない夫・政之に悩まされ続けていた。政之は、秘書・英子との関係がばれると、英子を東京に囲った。三女の乃利子は、会社員の卓と子の無い二人暮らしで、安穏な生活に飽き足りなさを感じ、婦人雑誌の投稿がきっかけで編集者・三谷と深い関係になっていく。ある時、輝子は、安澄と研一の関係を知って安澄の家を飛び出す。街で偶然会った英子の部屋に泊まり、輝子は英子が本気で政之を愛していることに感慨を抱く。乃利子は三谷の本性を知って自ら関係を終らせた。優子は悩みぬいた末に興信所に調査を依頼する。それを知った政之は、英子を引っ越させようとしたが、英子は別れの手紙を残して去った。研一が大怪我をし、輝子と安澄は久々に再会した。輝子は、自分の片思いを認め、安澄をひとりの女として認められるようになっていた。母の急逝で姉妹は京都に集い、慎ましやかだった母が遺した意外にも艶やかな長襦袢を前に、母の想いを推し量る。輝子は、幼馴染みの友四郎との結婚を決めた。未亡人と女、母と女の間を揺れ続けてきた安澄は、仕事に打ちこみたいとニューヨークに旅立つ。安澄を見送る羽田で、輝子は政之との過去から踏み出した英子と会う。そして、自分の生き様に思いをめぐらす。 カラー 1:1.5ワイド 111分
STAFF セルの着物と袴とお釜帽、手には古びたトランクを持ち、ちびた下駄履きの私立探偵・金田一耕助が、信州・那須の町にやって来る。昭和22年。七ヶ月前、信州随一の財閥で、日本の製薬王と呼ばれた犬神佐兵衛が死んだ。金田一は、佐兵衛の遺言状を預かる顧問弁護士・古館の助手・若林の依頼でやって来たが、恐ろしい遺産争いを予期していた若林は、金田一が着くや殺された。生涯独身を通した佐兵衛には、腹違いの娘、松子、竹子、梅子がおり、三人にはそれぞれ、佐清、佐武、佐智の息子があった。佐清が復員し、いよいよ遺言状が開封されることになり、金田一は古館の依頼を受けて立ち会う。その席には佐兵衛の恩人・野々宮の孫の珠世の姿もあった。佐清は戦争で顔面に大傷を負い不気味な仮面をつけている。遺言状は、佐清、佐武、佐智のいずれかと結婚することを条件に珠世に全財産を譲るというものだった。そして、佐兵衛が女工に産ませた行方知れずの青沼静馬にも権利があった。なぜ珠世が…、珠世は誰を夫に選ぶのか? 佐武、佐智、そして珠世も、仮面の佐清の正体を疑っている。そして事件は起こる。佐武が殺され、生首が菊人形の上に乗せられていた。佐智は、天窓の上で首に琴糸を巻き付けられ死んでいた。犬神家の家宝、斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)をなぞると思われる手の込んだ殺人、顔を隠した復員服の男の出現で深まる謎。金田一は、犬神一族の系譜を辿り、犬神佐兵衛の怨念に憑かれた連続殺人事件の真相を解く。 カラー 1:1.5ワイド 146分
STAFF 昭和27年。旧知の岡山県警・磯川警部の依頼で、金田一耕助は鬼首村へやって来る。磯川の依頼は、20年前の殺人事件の解明。被害者は亀之湯の女将・リカの夫。加害者は詐欺師の恩田で、犯行後の足跡は不明。磯川は、被害者と加害者が逆ではないかと疑念を抱きつづけていた。金田一は亀之湯に宿をとり、しぶしぶ20年前の事件を調べる。リカには、息子の歌名雄と半身赤痣の娘・里子がいた。千人峠で、金田一はおはんと名乗る老婆とすれ違う。おはんは元庄屋の放庵が呼び寄せた別れた女房。が、老婆の出現とともに放庵は行方不明になった。売れっ子歌手の別所千恵が帰郷し、歌名雄たち仲間が歓迎会を開く。千恵は恩田の娘である。その晩、鬼首村の旧家・由良の娘で、歌名雄の恋人の泰子が殺される。腰かけの滝の下、あでやかな着物を纏った泰子は、漏斗と升をあしらった奇妙で恐ろしい姿で発見された。静かな山里の鬼首村で時を隔てて起こった二つの事件に関わりはあるのか…。次いで、振興勢力の仁礼家の娘で、歌名雄に想いを寄せる文子が殺され、金田一は、由良の隠居が歌う村に伝わる手毬唄を聞いて第三の殺人を恐れる。手毬唄は、雀たちが殿様に輿入れした娘たちの行く末を語っている。一番目の娘は、由良家の屋号である升屋の娘、二番目は仁礼家・秤屋の娘。次に狙われるのは、三番目の雀が語る錠前屋の娘、別所千恵か。20年前の事件の謎に迫り、娘たちを殺めた犯人を突き止める金田一。事件の結末は、磯川にとって切なく苦しいものだった。 カラー 1:1.5ワイド 144分
STAFF 昭和21年。海賊や流刑人の子孫が住むといわれる瀬戸内海の孤島・獄門島。金田一耕助は、友人の頼みで本鬼頭家の千万太の戦死を島の了然和尚に知らせにやって来る。千万太は臨終に、自分が生きて帰らぬと三人の妹が殺される、とその友人に言った。島では、本鬼頭の分家のひとしの復員の知らせと、戦争で供出した寺の吊り鐘の返還という出来事が起きていた。本鬼頭は島一番の網元で、千万太は亡くなった先代・嘉右衛門の孫。本鬼頭には、千万太の腹違いの妹の月代と雪枝と花子、分家の娘でひとしの妹の早苗、古い勤め人の勝野がおり、当主で千万太の父の与三松は、正気を失い座敷牢に住んでいる。分家とは別に本鬼頭から独立した分鬼頭があり、儀兵衛と後添いの巴、鵜飼という同居人の若い男がいる。巴は本鬼頭を乗っ取ろうと企んでいる。金田一は、了然の寺に招かれ三句の俳句が書かれた枕屏風のある書院に泊まり、翌晩、千万太の通夜に参列する。そして事件は起きた。艶やかに振り袖で着飾った花子が殺され寺の梅の古木に逆さ吊りにされていた。次いで、雪枝は、崖の上に置かれていた吊り鐘の下に血に染まった着物をはみ出させ、月代は纏った白装束の上に萩の花びらを散らされ死んでいた。島に起きた三つの出来事、千万太が危惧した三人の娘の死とその異様な死に様…。事件を解く鍵を求めて金田一は頭を掻きむしる。早苗は金田一に、島から出たことがない、連れ出して欲しい、と言う。よそ者を忌み嫌う閉ざされた島で愛と妄執が入り乱れる。 カラー 1:1.5ワイド 141分 * 作品タイトル欄の社名等は、映画制作当時の製作者です。
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